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2019 YAMAHA MJ-FX Cruiser SVHO

キング・オブ・クルーザーの完成形
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YAMAHA MJ-FX Cruiser SVHO/Carbon Metallic with Torch Red

4ストへの移行後、マリンジェットの最上位に位置するのはいつの時代もFXだった。最新のテクノロジーや機能・装備はFXから。4ストエンジンも、クルーザーシートも、過給器も、RiDEだって最初はFXに採用された。そんなFXが、待望のフルモデルチェンジ。新しい何かを期待せずにはいられない。
そんな思いに応えるかのごとく、新生FXには様々な新機能と装備が採用されているが、特に大注目なのが、MJ史上初となる静電容量式タッチパネルを採用したコネクスト・マルチファンクションディスプレイだ。

エンジンとコミュニケートする、新しいツール
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4.3インチのタッチパネル液晶は、グローブを着用したまま操作可能(グローブ素材による)

スポーツボートには同様のシステムが2017年から採用されているが、使用環境のまったく異なるPWC用ということで、ほぼゼロの状態から新開発。水密性を高め、アイドリング以上では液晶が反応しないなどの安全面もしっかり考慮されている。
速度や燃料残量、エンジン回転数、シフト、トリム、各種機能のオン・オフといったディスプレイの本質である視認性も高く、従来モデルよりもかなり見やすくなった印象。操作も直感的におこなえるので、スマホを持っているひとなら問題なく扱えるだろう。
また表示するだけでなく、このディスプレイで機能をオン・オフしたり、エンジンをロックしたり、燃料消費量をリアルタイムで表示したり、「エンジンとコミュニケートする新しいツール」という開発メンバーのコメントそのものだと実際に触ってみて感じられた。
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エンジンロックの設定画面

より快適な操縦を可能にする、4つの新機能

そしてコネクストと併せて、操船時に役立つ【ドライブ・コントロール】、【リバース・アシスト】、【アジャスタブル・ノーウェイク】、【スラスト・ディレクショナル・エンハンサー(T.D.E.)】といった4つの機能を新たに採用。特にドライブ・コントロールは重宝するひとも多いだろう。これは従来のLモードに代わる機能で、速度(実際にはエンジン回転数を制御)と加速を任意で設定できる。操船に自身がないビギナーなら速度を55km/h、加速をSlowに設定すればマイルドな乗り味になり、危険を感じることも少なく安心して操船を覚えられるだろう。
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ツーリングやトーイングでも役立つドライブ・コントロール
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超微速での前・後進を可能にするT.D.E.

トップライダー・インプレッション

革新的なタッチパネル式ディスプレイや走行時の快適性を高める新機能といったわかりやすい部分に目が行く新生FXだが、フルモデルチェンジというだけあってハルも新開発。というより、個人的にもっとも驚いたのはこのハルによる走行性能の進化だったりもする。外観デザインが従来よりもスポーティでアグレッシブな印象に生まれ変わっているが、その走りはこれまでのイメージどおりキング・オブ・クルーザーの名にふさわしいものなのか。それともこれまでとは別の、スポーツ性の高い走りに仕上がっているのか。トップライダーの生駒淳氏に試乗してもらい、その走行性能について率直な感想を語ってもらった。
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YAMAHA MJ-FX Cruiser SVHO/Carbon Metallic with Torch Red

「新しいFXに初めて乗ったひとは、“すごい曲がる”というのが一番衝撃を受けるんじゃないかな、と思いました。それぐらい旋回性能が高くなっています。ハンドルを切った瞬間にスパッと鋭角に入っていって、ノズルがものすごく切れているような感覚でグイっと曲がっていきます。今までFXに乗っていたひとも、きっと驚くと思いますよ」
どちらかというと安定性や快適性のイメージが強いFXだが、生駒氏が真っ先に口にしたのは旋回性。事実、新開発のハルはV角(デッドライズ角)が途中から鋭角になっており、さらに丸みのあるラウンドキールの採用により従来モデルよりも旋回性を高めている。つまりクルージングモデルというよりも、スポーツモデルのような走りの味付けになっているのだろうか?
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高級感がありながら、アグレッシブなデザイン

「前のFXよりも旋回中にバンクしている感じがあるので、横Gによるライダーへの負担は軽減されていると思います。それとハンドルを切った瞬間は鋭角にスパッと曲がるんですけど、そのあとは少しリアが抜けていくんですよね。ハルのV角が“途中から”鋭角になっているのが理由だと思うんですけど、これはFXらしさというか、クルージングモデルらしい味付けだと思います。V角が全部鋭角だとたしかにレールの上を走っているような旋回が可能になりますけど、その分ライダーへの負担も大きいですからね。ちょうどいい落としどころに持っていってる、という感じです」
旋回性能は向上しているものの、ライダーへの負担も考慮したクルージングモデルらしい味付けを感じられたようだ。また生駒氏はこんなところにもFXらしさを感じたという。
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RIDER:生駒 淳 PASSENGER:森園れん

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1/4 20ネジのマルチマウントシステム(左)と、ボトルホルダー(右)
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さらに使いやすくなったリボーディングステップ

「3人乗ったときを想定してハルを作り込んでいるな、と感じました。うしろにひとを乗せたときも変に振られることはありませんし、前のFXよりもさらに乗りやすくなった印象です。コーナリングも3人乗ったときの方が、1人のときよりも良く曲がるんじゃないかな(笑)」
3人乗りでも思いどおりに曲がって走る、というのが新生FXハルの開発コンセプトだが、その狙いは見事に実現しているといえそうだ。従来モデルよりもさらに幅広い乗り方が楽しめそうだが、生駒氏の本職でもあるレースでの展望も聞いてみた。
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「確実に通用すると思います。旋回性は申し分ないですし、1人乗りだとリアが少し流れるけど、それは足回りを少し変えるだけで解決しそうなレベルですからね。ブイ回りもいけそうですし、S-1なんかでも活躍できると思います。あとはハルが長いから、荒れたときに断然有利ですしね。自分も来年は新しいFXでレースに参戦する予定です。初戦から優勝できるんじゃないかな、と思ってます(笑)」
新開発ハルはより気持ちよく、よりアグレッシブな走りを可能にしていて、新機能や装備がさらなる快適性を実現。ツーリングも、トーイングも、ブイ周りも高次元でこなせるマルチなモデルへと進化を遂げた新生FXは、まさにキング・オブ・クルーザーの完成形といっても過言ではないだろう。
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Carbon Metallic with Torch Red
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Azule Blue Metallic with Pure White

YAMAHA MJ-FX Cruiser SVHO
●全長×全幅×全高:3580×1270×1230mm ●乾燥質量:372kg ●燃料タンク容量:70リットル ●吸気方式:インタークーラー付スーパーチャージャー ●総排気量:1812㎤ ●呼称最大馬力:183.9kW(250PS)/7500rpm ●トランスミッション:RiDE ●燃料:無鉛プレミアムガソリン ●定員:3名
●メーカー希望小売価格:238万6180円+税(定員分の法定備品と進水諸経費を含む)


by hotwatersportsmag | 2019-02-08 12:28 | YAMAHA